消費税の概要

納税義務者

課税資産の譲渡等を行った事業者(個人事業者、法人)が納税義務者となります。

免税事業者

基準期間の課税売上高が1,000万以下の事業者は、納税義務が免除されます。

★基準期間中に免税事業者であった場合には、
基準期間の課税売上高の計算は、税抜きの処理は行いません。

基準期間

個人事業者はその年の前々年、法人はその事業年度の前々事業年度です。

新規に開業した場合は、
個人事業者の新規開業年とその翌年、法人の設立事業年度とその翌事業年度は、
基準期間の課税売上高がないので、原則として免税事業者になります。

ただし、期首の資本金が1,000万円以上の新設法人は、
設立事業年度とその翌事業年度については、
基準期間の課税売上高がなくても納税義務は免除されず、課税事業者となります。
設立3年目は原則に戻り、
基準期間の課税売上高(年換算した金額)で納税義務を判定します。

納付税額

課税売上に係る消費税額から
課税仕入れ等に係る消費税額(仕入控除税額)を差引いて計算します。
課税仕入れ等に係る消費税額(仕入控除税額)が
課税売上に係る消費税額より多い場合には還付されます。

簡易課税

課税売上に係る消費税額から
課税売上に係る消費税額に一定割合(みなし仕入率)を掛けて計算したものを
課税仕入れ等に係る消費税額(仕入控除税額)とみなして
納付税額を計算します。

★基準期間の課税売上高が5,000万円超える事業年度は適用することができません。

★簡易課税制度を選択した場合には、2年間はやめることができません。

みなし仕入率

第 1 種事業 90%    卸売業
第 2 種事業 80%    小売業
第 3 種事業 70%    製造業等
第 4 種事業 60%    その他の事業
第 5 種事業 50%    サービス業等
第 6 種事業 40%    不動産業

事業区分

簡易課税制度を適用する場合の事業区分は、
原則として、その事業者が行う課税資産の譲渡等ごとに行うことになります。

したがって、卸売業者の売上高がすべて第1種事業になるとは限りませんし、
また、小売業者の売上高がすべて第2種事業になるとは限りません。

卸売業者が販売するものであっても、
購入者が消費者であれば、その売上は第2種事業に、
また、小売業者が販売するものであっても、
購入者が他の事業者であれば、その売上は第1種事業になります。

課税売上高
5,000万円
各1種類の
事業
のみの場合
区 分 仕入率 納税額
8%の場合
納税額
10%の場合
第1種事業 90%  40万円     50万円   
第2種事業 80%  80万円    100万円   
第3種事業 70% 120万円    150万円   
第4種事業 60% 160万円    200万円   
第5種事業 50% 200万円    250万円   
第6種事業 40% 240万円    300万円   

事業の種類の区分がされていない場合

二種類以上の事業を営んでる事業者が課税売上高を区分していない場合には、
そのされてない部分について、
その事業者の行っている事業のうち、
みなし仕入率の最も低い事業の仕入率を適用することになります。

例えば、第1種事業、第2種事業、第3種事業を行っている事業者が 区分していない場合には
第3種事業の仕入率を適用することになります。

税率10%の場合

  卸売業者で
  課税売上高が、第1種事業45,000第2種事業5,000の場合
納税額
区分されて
いる場合
  45,000には仕入率90%が
  5,000には仕入率80%が適用される
  また
  45,000/(45,000+5,000)
  =90%≧75%により
  すべてに仕入率90%を適用することもできる
550

500
区分されて
いない場合
 (45,000+5,000)
  すべてに仕入率80%が適用される
1,000

事業の種類の一例

  喫茶店を兼業しているケーキ店の場合
     仕入れた商品を贈答用に業者へ販売 第 1 種事業
     仕入れた商品を贈答用に消費者へ販売 第 2 種事業
     自家製造したケーキ等を販売 第 3 種事業
     自家製造したケーキ等の提供を含めた飲食サービス 第 4 種事業
  文房具店の場合
     事業者に対する販売 第 1 種事業
     消費者に対する販売 第 2 種事業
     印鑑の製作、名刺の印刷を受注、外注し、顧客へ販売 第 3 種事業
     宅配便、写真DPEの取次 第 5 種事業

届出書

  • 消費税課税事業者選択届出書
  • 消費税課税事業者選択不適用届出書
  • 消費税簡易課税制度選択届出書
  • 消費税簡易課税制度選択不適用届出書

 ★適用する、適用をやめるには届出書の届出時期が決まっているので要注意です。

事業用資産の譲渡

  • 個人事業者が事業用資産(建物、機械、車両など)を譲渡した場合
    譲渡収入は、消費税の課税売上に加算する必要があります。
  • 法人成りに伴い法人に事業資産を引継いだ場合も
    消費税の課税売上に加算する必要があります。

帳簿書類の保存期間

仕入税額控除の適用を受けるためには、
帳簿に下記の法定事項を記載した上で、帳簿及び請求書等の両方を、
確定申告期限から7年保存することが義務付けられています。

① 課税仕入れの仕入先の氏名又は名称
② 課税仕入れを行った年月日
③ 課税仕入れの内容
④ 課税仕入れの金額

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