“相続税の試算”
次の世代へスムーズに引継ぐため、一度相続税の試算をして見ませか
簡易計算~詳細計算(相続税申告レベル)
財産確認→自己老後資金の確保→財産分け(誰に何を)→納税資金の確保→相続税の節税
課税価格の計算
課税価格は( ①+②-③+④ )で計算します。
相続や遺贈によって取得した財産 ①
相続税のかかる財産は、被相続人が相続開始の時において所有していたもので 、金銭で見積もることができるすべての財産です。
土地、家屋、立木、事業用財産、有価証券、家庭用財産、貴金属、宝石、書画骨とう 電話加入権、預貯金、現金など 相続財産の価額は、原則として相続開始の時の時価で評価します。
■ 土地は、路線価方式と倍率方式があり 「路線価図」や「評価倍率表」に基づ いて評価します。
★路線価図・評価倍率表は財産評価基準書で調べることができます。
■ 家屋は、固定資産税評価額により評価します。
小規模宅地等の特例(相続した居住用や事業用の宅地等の価額の特例)
特定事業用宅地等 400㎡まで 80%減額
特定居住用宅地等 330㎡まで 80%減額
貸付事業用宅地等 200㎡まで 50%減額
★特例の適用を受けようとする宅地等が、相続税の申告期限までに分割されていることが必要です。
相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産 ②
生命保険金等
死亡に伴い支払われる保険金のうち、被相続人が負担した保険料に対応する部分の金額
相続人が受け取った保険金については一定額が非課税となります。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
退職手当金等
死亡に伴い支払われる退職手当金等
相続人が受け取った退職手当金等については一定額が非課税となります。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
課税価格から控除される債務及び葬式費用 ③
被相続人の債務 借入金、未払金など、被相続人が納めなければならなかった国税、地方税など葬式費用 被相続人の葬式に際して相続人が負担した費用
相続税の課税価格に加算されるもの ④
生前に被相続人から相続時精算課税に係る贈与によって取得した 相続時精算課税適用財産の価額(贈与の時の価額)は 、相続税の課税価格に加算されます。
※相続開始日 令和8年12月31日まで
財産を取得した人が、相続開始前3年以内に 被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した 贈与財産の価額(贈与の時の価額)は 相続税の課税価格に加算されます。
ただし、被相続人から暦年課税に係る贈与によって取得した財産であっても 贈与税の配偶者控除の特例に該当する部分は 相続税の課税価格に加算されません。
法定相続人と法定相続分
第一順位 配偶者と子供 配偶者 2分の1 子供 2分の1
第二順位 配偶者と直系尊属 配偶者 3分の2 直系尊属 3分の1
第三順位 配偶者と兄弟姉妹 配偶者 4分の3 兄弟姉妹 4分の1
基礎控除額
3,000万円+600万円×法定相続人の数
相続税額の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 | 税 率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | ー |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
計算例)7,000万円の場合 7,000万円×30%-700万円 で 1,400万円
相続税額の計算方法
法定相続人 配偶者 子1 子2
課税価格 配偶者 7,500万円① 子1 4,500万円② 子2 3,000万円③ とした場合
まず、相続税の総額⑧を計算、その次に、それぞれの相続税額の計算をします。
課税価格の合計額 15,000万円④
①+②+③
基礎控除額 4,800万円⑤
3,000万円 + 600万円 × 3(法定相続人の数)
課税遺産総額 10,200万円⑥
④-⑤
法定相続分⑦
配偶者 1/2
子1 1/2×1/2=1/4
子2 1/2×1/2=1/4
相続税の総額 1,495万円⑧
830.0万円+332.5万円+332.5万円
配偶者 ⑥×1/2=5,110万円 速算表により 830.0万円
子1 ⑥×1/4=2,550万円 速算表により 332.5万円
子2 ⑥×1/4=2,550万円 速算表により 332.5万円
各人の相続税額
配偶者 ⑧×①/④ 747.5万円
子1 ⑧×②/④ 448.5万円
子2 ⑧×③/④ 299.0万円
税額控除(相続税額から控除されるもの)
暦年課税分の贈与税額控除
相続開始前3年以内の贈与財産について課せられた贈与税がある場合には
その人の相続税額からその贈与税額を控除します。
ただし、控除しきれない金額があるときも、還付を受けることはできません。
配偶者に対する相続税額の軽減
財産を取得した人が、被相続人の配偶者である場合には
1億6千万円と配偶者の法定相続分かいずれか多い金額まで相続税がかかりません。
ただし、相続税の申告期限までに分割されている財産が対象です。
未成年者控除
財産を取得した人が、満18歳未満の相続人である場合には
その人の相続税額から
満18歳に達するまで1年につき10万円控除します。
障害者控除
財産を取得した人が障害者で場合には
その人の相続税額から
その人が満85歳に達するまで1年につき10万円(特別障害者は20万円)控除します。
相次相続控除
今回の相続開始前10年以内に
被相続人が、相続によって財産を取得し相続税が課されていた場合には
その被相続人から財産を取得した相続人の相続税額から一定の金額を控除します。
外国税額控除
外国にある財産を取得したため
その財産について外国で相続税に相当する税金が課税された場合には
その人の相続税額から一定の金額を控除します。
相続時精算課税分の贈与税額控除額
相続時精算課税適用者に、
相続時精算課税適用財産について課せられた贈与税がある場合には
その人の相続税額からその贈与税額に相当する金額を控除します。
なお、控除しきれない金額があるときは、還付を受けることができます。
その他
相続税の申告期限
相続の開始があったことを知った日(通常の場合は被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月以内
相続放棄
3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述しなければいけません。
一度相続放棄をしてしまうと 、3ヶ月以内であっても取消すことができないので慎重に
相続人に未成年者がいる場合
特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。
2割加算
財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人である場合には
その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。
相続税の納付
申告期限までに金銭で一度に納付するのが原則ですが、一定の要件を満たしている場合には、延納、物納という方法もあります。